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諦めず交渉をリード、94歳の母を自宅に戻す~高齢者虐待防止法の現状~

更新日:2021年4月29日


 平成18年4月から高齢者虐待防止法が施行され、在宅での高齢者虐待等については、市町村がその対応にあたることになった。一度施設に送られたら戻すことはないと言われている中で、この度、自宅に帰還を果たした事例がある。こうした長丁場にわたる行政機関との交渉を当会は支援している。


 諦めず交渉をリード、94歳の母を自宅に戻す

長女と母親94歳の2人暮らし。母親は要介護3、認知機能の低下あり。長女による虐待の疑いで母親は保護された。保護から2カ月の間、長女からの聞き取りは一度も行われないまま、保護した市高齢者支援課は周囲からの情報収集をし、長女の虐待を認定し、母親は高齢者施設に入所となった。長女は、「自分は虐待者ではない、自分への聞き取りをしてほしい、母親が理解できるうちに自宅に戻してあげたい」と訴え続け、「虐待したと認定した自身の行為とは何か?」と説明を求めるも、市職員は虐待者と決めつけ、一切応じることはなかった。長女に対して市担当者は「人を殺しかねない危険人物」、「精神病者」と一方的な暴言で侮辱してきた。


 それを払拭するために、心療内科医師の診察と、心理カウンセラーの心理テストを数回にわたって受けた。結果、日常生活送ることの能力、人格が備わっている問題ない人間という医師の診断書を市に提出した。この6ヶ月間精神的苦痛からストレス障害の症状に苦しんできた。保護から6カ月間、施設に入れられた母親との面会は月2回、監視付きで15分しか認められなかったが、会うたびに泣きながら「家に帰り、畑をやりたい」と母親は長女に訴えたという。家では畑作業をしていた母親が、施設にて歩くこともできなくなっていた。


 担当課に要望書を何度も出したり、母親の主治医に協力を得たり、千葉県の担当課に市の不適切な対応を訴えたり、県の専門家派遣を求めたり、市長に要望書を出したり、職員の不適切な対応を訴えたり、弁護士に相談に出向いたり等々、ありとあらゆる行動や文書で、自身への聞き取りの要請と母親の早期帰還を求め続けてきた。

6カ月後4月15日、とうとう、母親の自宅復帰を勝ち取った。「母親の帰りたい意思を尊重して」との理由が述べられたという。この間の保護から解除に至るまでの検討経過の謎は多く、4月に代わったという新しい担当課長に追って説明を求めるつもりという。




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